①自動制御

制御とは、ある目的に適合するように制御対象に所要の操作を加えることです。例えば、壁に備えられた照明器具のスイッチを人間が押して点灯させることは制御といえます。こうした人間が直接操作する制御を手動制御といいます。同じ照明器具でも暗くなると自動点灯する門灯や、人が近づくと点灯する防犯灯は最初に設定しておけば、指定した条件が整うと自動的に点灯します。こうした制御は自動制御といいます。自動制御には様々な種類がありますが、主に使われているのがシーケンス制御とフィードバック制御です。

シーケンス制御とは、あらかじめ定められた順序、または論理に従って制御の各段階を逐次進めていく制御とされています。洗濯機が一連の作業を順番に進めていくような制御や、交通信号機のランプ一定時間で切り替わっていくような制御がシーケンス制御です。

フィードバック制御とは、フィードバックによって制御量を目標値と比較してそれらを一致させるように操作量を生成する制御とされています。例えば、エアコンは室温を設定温度に近づけるために室温を測定し、その設定値をフィードバックとして目標値である設定温度と比較して、モータなどの制御量を決めます。そうした制御がフィードバック制御です。実際には、目標値と測定値との差が大きい場合にはモータの制御量を大きくして差が小さくなると制御量を小さくするといった制御が行われます。結果として、フィードバック制御は制御内容の質を向上させることができるのです。また、フィードバック制御は多くの場合、シーケンス制御と組み合わせて使われます。自動化がシーケンス制御によって行われ、制御の質を向上させたい部分にはフィードバック制御が採用されます。

②シーケンス制御

シーケンス制御の実際のシステムは、命令用装置・制御用装置・検出用装置・制御対象・電源用装置・表示警報用装置によって構成されます。

命令用装置は操作者が制御システムの始動や停止などの命令を与える装置であり押しボタンスイッチなど各種の命令用スイッチが用いられます。検出用装置は、制御対象の動作状態を検出する装置であり、位置を検出するリミットスイッチや温度を検出する温度スイッチといった検出用スイッチが用いられます。これらの命令用スイッチと検出用スイッチ空の信号を受けて、制御用装置が制御対象に直接的に働きかけて動作させます。制御用装置がシーケンス制御の中枢であり、この部分もスイッチの組み合わせで構成されています。電源用装置は、制御システムや制御対象を動作させる電力を供給させる装置であり、表示警報装置は、制御対象び状態や以上を操作者に知らせる装置となります。

シーケンス制御システムではさまざまなスイッチが使われていますがその中枢ともいえる制御用装置に使われるスイッチの種類によってシーケンス制御を分類することができます。一般的には有接点式、無接点式、プログラム式の三種類に分類されます。

有接点式シーケンス制御→接点とは機械的に動作して電気回路を開閉するスイッチのことで機械的接点ともいいます。有接点式シーケンス制御の制御用装置では、こうした機械式接点備えた電磁リレーで制御回路が構成されます。電気の分野におけるリレーとは、電気信号によって動作させることのできるスイッチのことで、電磁リレーでは電磁石を利用して接点の開閉を行います。電磁リレーはメカニカルリレーや有接点リレーともいい、単にリレーということも多いです。そのため有接点式シーケンス制御は、有接点リレーシーケンス制御や、*単にリレーシーケンス制御ともいいます。
            
無接点式シーケンス制御→無接点式シーケンスの制御装置では、トランジスタなどの半導体素子のスイッチング作用を利用して制御回路を構成しています。機械的な接点を使用しないため、無接点式と言われています。こうした電子回路によるリレーは、半導体リレーや無接点リレーともいうため、無接点式シーケンス制御は、半導体リレーシーケンス制御や無接点式リレーシーケンス制御とも言われています。
           
プログラム式シーケンス制御→マイクロコンピュータ式シーケンス制御ともいい、コンピュータのプログラムによって制御回路が構成されています。工場の生産ラインのような場合は、プログラマブルコントローラまたは、プログラマブルロジックコントローラと呼ばれる専用のマイクロコンピュータが使用されます。
              

③電気の基礎知識

電気回路とオームの法則について電気とはエネルギー形態の一つです。電気エネルギーを利用するためには、電流が流れる経路が必要です。こうした経路を電気回路や単に回路といいます。回路は電源と負荷で構成されています。負荷とは実際に仕事をする部分のことで、電気エネルギーを他の形態のエネルギーに変換する装置といえます。電球であれば電気エネルギーを光エネルギーに変換し、モータであれば電気エネルギーを運動エネルギーに変換します。回路を流れる電流の大きさは、電源の電圧と負荷の電気抵抗で決まります。電気抵抗は単に抵抗ということも多く、電流の流れにくさを示します。抵抗が大きいほど、つまり電流が流れにくいほど電流が小さくなります。逆に抵抗が小さいほど電流が大きくなります。電流の単位には【A】アンペア、抵抗の単位には【Ω】オームが使われます。この電圧、電流、抵抗の関係を示したものがオームの法則と言われています。

 手動制御とスイッチについて

例えば、乾電池と電球を接続した回路の途中に制御用装置としてスイッチを配置すると手動制御が行えるようになります。それにより点灯と消灯を容易に操作できるようになります。このようなスイッチには機械式接点が用いられます。スイッチがOFFの状態では接点を  開いていて回路が成立しないので電球が点灯しません。このように接点が開いている   状態を開路といいます。スイッチをONにすると、接点が閉じて回路が成立するので電球が点灯します。このように接点が閉じている状態を閉路といいます。

回路図と図記号について

電気回路の内容を示す際には、構成する要素を記号化した電気回路図が一般的に使われ  ています。使用する記号は電気用図記号としてJISで定められています。電気用図記号  は回路図記号や図記号、またシンボルともいいます。回路図の線は接続線といいますが、実際の配線と回路図の接続線は別物だと考えた方が  いいと言われています。接続線は回路を構成する要素の電気的なつながり方を説明して  いるだけのものだからです。リレーシーケンス制御では、制御の動作や機能を中心にして回路を示したシーケンス図という図が用いられます。シーケンス図では各要素の相互の関連が示されているので制御の動作を順番を追って把握しやすくなっています。

直流と交流について

電流には直流と交流があります。直流とは、流れる方向と電圧が一定の電圧・電流のことで代表的な直流の電源が電池です。交流とは、流れる方向と電圧が周期的に変化する電圧・電流のことで狭義の交流は横軸を時間、縦軸を電圧にするとサインカーブ(正弦曲線)を描きます。サインカーブの山と谷のセットをサイクルといい、1サイクルに要する時間を周期といいます。1秒間のサイクルの回数を周波数といい、単位には【Hz】ヘルツが使われ  ます。家庭などに供給されている商用電源が代表的な交流です。100Vか200Vが一般的で、50Hzの地域と60Hzの地域があります。同じ電圧と周波数の3組の交流を周期が1/3ずつずれた状態でまとまったものが三相交流です。そもそも三相交流は別々に作られた3組の交流をまとめたわけではなく、三相交流 発電機で作られます。家庭に供給されている交流は、三相交流の各相がばらばらにされた もので、単相交流といいます。

三相交流は単相交流より効率よく送電できるというメリットがあるうえ、発電機の回転  によって作られた電気なので、モータを回転させることに適しています。そのため、大出力が求められる工場などへは、三相交流が供給されることが多いです。

直列接続と並列接続について

電気回路を構成するつなぎ方の基本になるのは、直列接続と並列接続です。直列接続は数珠つなぎに要素を接続していくつなぎ方で、電流は一本の流れになります。負荷を直列接続すると、それぞれの要素が電圧を分け合うことになります。電気回路を構成する各要素には、製造者が保証する出力の限度や製造者が指定する電圧・電流などの値が示されています。これらを総称して定格といいます。シーケンス制御の回路では、定格の電圧が得られなくなるため複数の負荷を直列に接続  することは基本的 にありません。負荷は必ず並列接続されます。一方、接点は直列接続しても並列接続しても問題ありません。

電磁石について

リレーシーケンス制御で使われる電磁波リレーは、電磁石を応用した装置です。コイルに電流を流すと電磁石になります。コイルに鉄心を入れると、さらに磁力を強く  することができます。磁石には、N極とS極があり異なる極同士には吸引力が働き、同じ極同士には反発力が働きます。またどちらの極も鉄を吸引します。電磁石では、コイルの巻き方と電流が流  れる方向で極が決まりますが、リレーシーケンス制御を考える上では極を意識する必要  はありません。重要なのは、電磁石は鉄を吸引できるということです。こうした鉄を吸引する力で、電磁リレーは接点を動作させているからです。コイルに電流を流して電磁石にすることを励磁といいます。また、電磁石の電流を停止  して磁力をなくすことを消磁といいます。

④接点の種類

 シーケンス制御は命令用装置・制御用装置・検出用装置のスイッチが組み合わされること によりで、自動制御が実現されています。有接点式シーケンス制御であるリレーシーケンス制御では、その中枢である制御装置に接点を備えた電磁リレーが使用されます。また、命令用装置に用いられる命令用スイッチや検出用装置に用いられる検出用スイッチもそれぞれの接点を備えています。接点は正式には開閉接点といい、メーク接点・ブレーク接点・切替接点の3種類に大別されます。

メーク接点・ブレーク接点・切換接点について

接点の状態は、動作っと復帰という用語で表現します。スイッチが操作された時の接点の状態を動作といい、動作以前の状態に戻すことを復帰といいます。メーク接点は、復帰状態で開路であり、動作すると閉路する接点です。つまり、スイッチを操作していない状態では接点がOFFであり、操作するとONになります。ONの状態を作る(make)ことになるため、メーク接点といいます。ドイツ語の働く(arbeit)を略してa接点ともいわれます。通常は開路している接点であるため常開接点ともいい、英語で表現するとnormallyopenになるため、その頭文字をとってNO接点ともいいます。

ブレーク接点は、復帰状態では閉路であり、動作すると開路する接点です。つまりスイッチを操作していない状態では接点がONであり、操作するとOFFになります。ONの状態を壊す(break)ことになるため、ブレーク接点といい、略してb接点といいます。通常は閉路しているため常閉接点ともいい、その英語であるnormally closedからNC接点ともいいます。切換接点は、メーク接点とブレーク接点を組み合わせた接点のことです。電流が流れる経路を切り換える(cheange over)ことができるため、略してc接点といいます。トランスファ接点ともいわれます。
  

スイッチの極と投

メーク接点やブレーク接点のように、1つの接点を備えたスイッチは単投型スイッチといい、切換接点のように2つの接点を備えたスイッチは双投形スイッチといいます。英語ではスイッチをONにする操作を【throw】で表現することがあるため、【投】という用語が使われます。またスイッチには、複数の接点を備えていて、1度の操作で複数の開路を同時に制御できるものもあります。スイッチが制御できる回路の数は【極】という用語で表現されます。