断路器と遮断器のインタロックについて

電流の開閉ができない断路器では、電流を開閉しないように関連する遮断器との間にインタロックが必要となります。遠方手動操作方式の断路器では、手動操作器にインタロックマグネットを設け、インタロックマグネットの無励磁、励磁によって断路器の操作装置を施錠、解錠する機能を設けてあります。
これにより、関連の遮断器が「切」のとき操作が可能で、断路器操作中は関連する遮断器が投入できないようにインタロックを設けます。構造的に単純なフック棒操作方式では、開閉操作が人為的な確認によって行われるため誤操作の危険があるので、断路器は遠方手動操作方式とすることが望ましいです。

変圧器の結線

高圧受電設備で用いられる三相変圧器の結線には三角結線や星型結線が、単相変圧器としては二次結線が中間口出しのある単相3線式が一般に用いられています。この他特殊な結線として三相-二相変換を行うスコット変圧器、二次側三角結線の各相に中間口出しのある内接三角形、少なくとも2つの巻線が相互に共通な部分を有する単巻変圧器などの結線があります。

有効電力と無効電力

三相回路において、負荷電圧E,負荷電流I、位相差θとしたとき、有効電力Pはp=√3Elcosθで与えられた、負荷の抵抗分に消費される電力で〔kW〕で表されます。またこの時の負荷電圧と負荷電流の積√3Elを皮相電圧といい、〔kVA〕で表されます。cosθはその時の力率です。無効電力QはQ=√3Elsinθで与えられ、負荷のリアクタンスに起因した電力で誘導性負荷では遅れの無効電力となります。

雷現象

雷放電現象の波高値は20~40kA、まれに100~2000kAに達するものがあり、波頭長1~2μs、波尾長30~50μsのものが多い。このような雷が送配電線などを直撃する場合を直撃雷といい、雷雲の電荷によって送電線に発生した反対符号の電荷が線路上を進行する現象が誘導雷です。

コンデンサ形接地電圧検出装置(ZVT)

高圧受電設備地絡方向継電器の電圧要素として用いる零相電圧を検出するための装置で、コンデンサ分圧を利用した計器用変圧器の一種です。
一次端子の一端を電路に接続し、他の一端を接地して使用します。高圧受電設備では、電力会社の高圧配電線路側に接地形計器用変圧器が接続されています。そのため電力会社の高圧配電線路に直接接続される需要家側に接地形計器用変圧器を用いると二重接地となるので、地絡継電器の動作検出感度が低下することや、保守点検時の絶縁抵抗測定ができないことなどから、この装置を用いて地絡保護を行います。

計量法

国内の商取引や証明行為のために測定値を用いるときに、混乱や不公平が生じないように定めた法律です。計量法で指定されている測定器は定期的に公的機関による検定を受ける必要があります。電気取引に用いられる電力計は、法的に指定されている計量器で、日本電気計器検定所で検定を行っています。従来は電力計と需要家の間の取引用計器のみ検定対象となっていましたが、昭和42年の計量法ではビルやアパートなどの家主と借家人との間の電気料金の計量に用いられる計器も検定の対象となっています。受電設備でも電気料金の取引に用いる電力量計は検定が必要です。

分散電源の種類と特徴

コージェネレーション→石油や天然ガスなどの燃料を燃焼して発電を行うと同時に、燃焼による排熱を利用することによりエネルギーの利用効果を高める。エネルギー利用効率は80~90%程度。

燃料電池→天然ガスなどから水素を抽出し、空気中の酸素との化学反応を利用する。電解質の違いによって、固体高分子形やリン酸形などの種類があります。おのおの発電が始まる温度(作動温度)や発電規模が異なります。エネルギー利用効率は75~85%。

太陽光発電→太陽電池(シリコンなどの半導体に光が当たると電気が発生する光電効果を応用したもの)によって太陽の光を直接電気に変えて発電を行います。発電効率は15~20%程度。

風力発電→自然の風の力により風車を回し、発電機を駆動して発電を行います。プロペラ形が主流です。発電効率は30~40%程度。

電力貯蔵→Nas電池、レドックスフロー電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、フライホイールなどを利用して、電力の充電と放電を行います。安価な深夜電力を貯蔵し昼間の電力ピーク時に貯めた電力を供給、電力負荷のへ平準化に有効です。

保安上の責任分界点

保安上の責任分界点とは、自家用電気工作物設置者(需要家)と電気事業者(電力会社など)の保安上の責任範囲を設定する箇所をいう。保安上の責任分界点は需要家の構内に設置します。

放電コイル

進相コンデンサ回路を開放すると、コンデンサ内部に残留電荷が残り危険なため解放後の残留電荷を放電させる装置として放電抵抗や放回路解放後5秒以内に50Vにします。自動力率調整装置(AQR)などで進相コンデンサを自動で開閉する場合は開閉頻度が多くなるため、短時間で残留電荷を放電できる放電コイルが望ましいです。

非常電源の種類

電源を必要とする消火設備(屋内消火栓ポンプ、スプリンクラー設備など)には、常用電源が遮断された場合でも有効に作動するように、非常電源の付置が消防法で義務付けられています。

非常電源の種類は消防法施行規則により
①非常電専用受電設備
②自家発電設備
③蓄電池設備
④燃料電池設備
の4種類があります。

高圧受電設備に関する主な法規・規程類

電気設備に関する技術基準をさ貯める省令

電気事業法に基づくほうりつのひとつとして、電気保安の確保のための基礎となります。この省令では保安上必要な性能だけで基準を定め、当該性能を実現するための具体的な手段、方法などを規定していません。そこで「電気設備技術基準・解釈」が制定され、この解釈に適合していれば技術基準にも適合しているとしています。

高圧受電設備規程(JAEC8011)

高圧受電設備の電気事故及び、それに起因する系統波及事故を防止することを目的とし、設計・施工および保守点検などの民間規格として制定されました。省令や解釈に定められていることを規定し、具体的に適用するための技術要件を解説しています。従来の高圧受電設備指針が改定されたものです。

キュービクル式高圧受電設備(JIS C 4620)

需要家が電気事業者などから受電をするために用いられるキュービクル式高圧受電設備で、公称電圧6.6kV、周波数50Hzまたは60Hzで系統短絡電流12.5kA以下の回路に用いる受電設備容量4000kVA以下のキュービクルについて規定されています。

電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン

需要家設備において発電設備を併設し、系統連系を行うためのガイドライン、発電機の故障や系統側事故時に、事故範囲の局限化などを行うための技術要件を定めて、解説しています。

系統連系規程(JEAC)

分散型電源の系統連系関係のシステム構築に関する協議を円滑に進められるよう「電気設備の技術基準の解釈」および「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」の内容をより具体的に示したものであります。尚、本規定は従来の「分散型電源系統連系技術指針(JEAG9701)」を改定したものです。

内線規程(JEAC8001)

電気工作物の工事、維持及び運用について定めています。主体は低圧設備であるが高圧受電設備に関する項目もあります。電気事業者から直接高圧で受電する場合の高圧受電設備及び、高圧で電気を使用する場合の電気設備の施設に適用、電技や電技解釈を引用して、解釈に定められた内容をより具体的に定めています。

試験用端子

試験用端子は計器用変成器の二次側回路に接続される計器および継電器類の目盛の校正、動作試験などを行う場合に、その対象機器の配線を取り外すことなく行えすように設けています。試験用端子は計測回路に設けるのが基本ですが、零相変流器の二次回路には設けいない場合が多いです。

計器用変成器の二次回路、三次回路の接地

特別高圧および高圧回路に接続する計器用変圧器の二次および三次回路は、電技解釈により接地をすることが義務付けられています。
これは高電圧回路からの誘導または混触などにより、計器用変圧器の二次および三次回路に高電圧が発生する危険があるためで、その保安と保護の目的で行われます。特別高圧の接地はA種接地、高圧の接地はD種接地となります。

変流器二次回路開放禁止

変流器の二次回路を開放すると、一次側の励磁電流により二次側の開放端に高電圧が発生し二次側接続機器の絶縁破壊、焼損などを招く恐れがあるので、通電中に開路してはなりません。また、二次側にヒューズを挿入するとヒューズが溶断して開放となる恐れがあるので、変流器の二次側にはヒューズは挿入しません。

二電力計法

二つの単相指示電力計を用いて三相電力を測定する方法を、二電力計法といいます。この方法では対称三相負荷の場合、負荷の力率が50%以上の時に、三相電力は二つの指示値の和となります。負荷力率が50%未満の時はいずれか一方の計器の指針は負側に振れて指示値を読むことができません。このような場合、その計器の電圧コイルの極性を切り替えてその指示値を読み、二つの計器の指示値の差をとればそれが三相電力となります。

配線用遮断器の分類

引き外しほうしきの構造により、流れる電流の発熱と電磁力の組み合わせで動作する熱動‐電磁式、電磁力のみで動作する電磁式、変流器の二次電流を電子回路で検出して動作する電子式などがあります。

熱動‐電磁式→過電流が流れると、ヒータの発熱によりバイメタルが緩やかに湾曲し、バイメタルに固定されたねじがトリップロッドを回転させてラッチを外         し、リンクに連結さ れた可動接触部が回路を遮断します。短絡電流などの大電流が流れると固定鉄心の電磁力 で可動鉄心が吸引され、遮断ロッドを回転させ瞬時に遮断する方式となります。
  
電磁式→瞬時引外し装置(時延と瞬時)とオイルダッシュポットにより制動されている電磁石を用いた方式で、過電流に対しては、コイル内に装着したプランジャによ     り時延をもって吸引し、遮断します。短絡電流に対しては、電磁力が大きいため瞬時に可動鉄心を吸引して遮断する方式となります。

電子式→各相に備えられた変流器で電流を検出し、変流器二次側の電子回路によって時延または瞬時の引外し特性を持たせて、トリガ信号を出してトリップコイル励磁して引外し機構を動作させる方式となります。

瞬時電圧低下対策

電力需要の増加にともない変電所と需要場所は遠隔化し、送電距離も長く、雷、風雪などによる事故頻度が高くなります。電力系統に事故が発生した場合、事故区間を即時分離する間の瞬時電圧低下は避けられません。コンピューターなど24時間365日稼働する機器は、一時停止すると生産ラインの乱れやデータの破損により、再スタートに長時間を要するため無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power System)の設置が望ましいです。
また、電磁接触器や制御継電器などは直流制御方式または機械的保持方式(ラッチ式)の採用が望ましいです。

誘導電動機と進相コンデンサの容量制限

電動機の端子に進相コンデンサを並列に接続して電動機、進相コンデンサ一体で開閉する方法は、開閉器が共有でき経済的です。しかし、電動機の励磁容量以上の進相コンデンサを使用すると、開閉したときに電動機の自己励磁現象により過電圧と再投入時の過渡トルクが発生して、電動機の焼損、進相コンデンサの絶縁破壊の恐れがあります。障害となる対象したがって、開閉器を共有する場合の進相コンデンサ容量は電動機の励磁容量以下(通常、電動機出力の1/2~1/4)が目安とされています。

高調波対策の考え方

高調波障害に対する対策は大別すると、①高調波発生量の低減、②障害となる対象負荷のインピーダンス変更(分流条件)、③機器の高調波耐量強化、の三つに分類できます。各種対策を検討し、効果的で経済的な方法を選定します。

異電圧同時使用変圧器

三相電圧器の二次側を二重電圧にして、100%電圧と50%電圧を同時に使用するもので三角結線(出力は三相6線)と星形結線(出力は三相6線または三相7線)があり、三角結線の出力三相6線式は内接デルタ結線とも呼ばれています。負荷力率角の差によって負荷分担が異なるので、結線の特徴を十分に理解して使用する必要があります。

防災設備の呼び方

常用電源→建築基準法上では常用の電源と呼ばれ、消防法上では常用電源と呼ばれています。電源供給方式は、防災設備に常時給電しその電源を確保している電源です。

防災電源→建築基準法上では予備電源と呼ばれ、消防法上では非常電源と呼ばれています。電源供給方式は、防災設備に常時給電する常用電源が断たれたときにただちに防災設備に電力を供給し所定の時間にその機能を確保するための電源です。

系統連系

ディーゼル機関やガスタービン機関を原動機として駆動されている発電装置を除き、太陽光、風力、燃料電池発電装置などは、直流出力が多くインバータで交流に変換して負荷に供給しています。各種の系統連系方法がありますが、系統連系にあたっては「電気設備の技術基準」、「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」、「系統連系規程JEAC9701」に基づき計画する必要があります。

電気設備の事故、故障の発生要因

平成17年から18年年に行った電気設備の事故、故障の発生要因調査では、設備的要因67.9%、マネジメント的要因44.3%、外的要因30.9%、人的要因16.7%の結果となりました。設備的要因に割合が一番多いことから設備の保守点検たいかに重要であるかがよくわかります。